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![]() 12月号 |
| [ 事 実 と す れ ば 大 変 だ ] |
(写真:「不況退散金運熊手」に願をかけ)<文字を大きくしてお読みになるには>Internet Explorer の場合メニューバーの表示から[文字のサイズ]→[最大]を選んでください。 こんなことを予測して、表題にしたわけではないが、事実とすれば大変なあの朝鮮戦争の悪夢がよみがえった。1950年6月25日午前4時、北緯38度ラインで始まった北朝鮮軍による砲撃。以来3年にわたって、冷戦時代を象徴するように、韓国と米国を中心とする国連軍対北朝鮮・中国との泥沼の消耗戦が展開された。 極寒の戦線からつかの間の休息に日本にやって来た若い米軍兵士の、凍傷で変色した足を見せられてさえ、戦争の不条理を思った。「敵が攻撃して来ると、新米の兵士は恐怖で立ち上がり砲弾の餌食になる。古参兵は塹壕に深く身を沈めるから、生きて帰還できる」といった白兵戦の生々しい話に震えた。 1953年7月27日の板門店での会談で、戦闘は<一時休止>となるが、戦争は今も終わったわけではない。3年間の他国の戦争が日本にもたらしたのは、敗戦からの不死鳥のような復活である。ぼろぼろになっていた経済が、戦争特需で息を吹き返した。戦後65年の歩みの中で、記憶にとどめておくべき歴史なのに、その後の経済成長に安住して、すでに忘れられようとしている。この世の平和に勝る人類の幸せはないが、平和が空気のように常に満たされているとの錯誤が、平和ボケを招く。 |
(写真:こちらが開運の御本尊)鳩山由紀夫首相時代の沖縄普天間基地政策に見られる一連のお気楽発言は、県民ばかりか外交政策をも混乱に引き込んだ。11月28日に行われた沖縄県知事選挙は、現職の仲井真弘多氏の再選となったが、これで出口が見えるどころか、民主党政権にも確たる解決策があるようには見えない。鳩山前首相の“口禍”は、政治家として万死に値する。それでもなお、いぜんとしてわきの甘い政権の危機管理、尖閣諸島にまつわる中国の非礼かつ傍若無人な態度や海上保安庁の映像流出問題への対処の仕方、そして警視庁公安情報の流出。安全に対する神経が惰眠を貪っている。 11月23日午後2時34分、韓国北西部の延坪島(ヨンピョンド)で砲撃戦が始まった大ニュースに、NHKはどう対応したかも検証すべきである。夕刊のない日曜日の発生に新聞は号外を出した。民放テレビもフジや朝日は午後5時台に、新たな情報を送り続けた。 その夜のNHKニュースウォッチ9の冒頭、大越健介キャスターも「戦慄が走った」と評した大ニュースの発生当時、夕刻のNHKにチャンネルを合わせたが、延々と大相撲中継が続いていた。ようやく事態の重大さに気付いたか、7時のニュースで約28分を費やしたが、ニュース感覚の鈍さ、悠長さに驚いた。なんのためにNHKはチャンネルを2枠持っているのか。地デジの宣伝には熱心だが、いくら電波の数が増えても、天下の大事にNHKは頼りにならないことを証明した。 |
(写真:右も左もこの賑わい)コメントを出す菅総理にも、事態の重大さを認識した表情は見られなかった。このところ下落する一方の支持率もあって、顔つきに力がない。11月28日の新聞は「27日昼、東京都内の中国料理店で鳩山氏と約1時間半、会談し、今後の政権運営への協力を要請した。首相は最近の内閣支持率低下に関し、『支持率が1%になっても辞めない』と述べ、政権維持に強い意欲を示した」(読売)という。 1%の支持率で、どうして内閣を維持できるのか。民主主義の論理にも添わない。言葉に<あや>があることは認めるが、総理としては血迷ったか、乱心したとしか思えない発言内容である。そのうえ出る場所、引っ込むきっかけをわきまえない“気の利かない幽霊”のような鳩山前首相に、2022年のサッカー・ワールドカップの日本招致に向け、12月にスイスで開かれる国際サッカー連盟総会への出席を要請した。党内の力のバランスを引き寄せるため、おもねっているとしか解釈できない。 |
(写真:可愛い化粧箱の中身は金平糖)「法相は二つ覚えておけばいい」と近頃にない笑いを取った柳田“カル口”大臣は「思慮が足りなかったと心から反省している」と参院予算委員会で述べた。思慮があればこの手の発言は口から出さないものだ。もともと思慮のない20年生を、本人もびっくりの大臣席に座らせた任命責任こそ問われるべきである。推薦したというお仲間の発言は聞くも不愉快だ。 ところで表題の説明。「初耳だ。事実とすれば大変だ。さっそく調べて善処しよう」というのが、政治家や官僚の“模範答弁”であると、はるか半世紀前に先輩記者から教えられた。これも柳田前法相が覚えていたかどうかは知る由もない。警視庁が、火の粉をかぶるのを恐れてか、流出した公安情報の真偽さえ認めないのも、事実とすれば…の文言に当てはまる。さっそく調べても結果はうやむやにし、<善処するとは何もしない事>とも言われてきた常套句を踏襲しているようである。そうこうするうち、流出した文書は、出版社がもっともらしい理屈をつけて書店に出した。 海上保安庁のビデオ流出について、ついでに書けば、朝日の報道に混乱があった。11月10日夕刊1面の大見出しは<神戸海保職員逮捕へ>。読売は<守秘義務違反容疑 警視庁取り調べ>。翌朝刊の朝日1面は見出しにはないが、本文で「近く逮捕する方針を固めている」と書き、夕刊1面でも「容疑が固まりしだい、保安官を同日中にも逮捕する方針だ」と前文で、あくまでも≪逮捕≫にこだわった。そして16日の朝刊1面の主見出し<海上保安官逮捕見送り>。つまり<逮捕へ>は誤報だった。 朝日が<逮捕へ>とぶち上げた10日の読売朝刊1面は<神戸の漫画喫茶から投稿 尖閣映像アドレスで判明>とスクープ。察するに、この“抜かれ”にあわてた結果の勇み足ではなかったか。 |
(写真:東京名産べったら漬けも)盃を挙げて天下は廻りもち 村田周魚 乱世を酌まむ 酌む友あまたあり 尾藤三柳 東京・上野東照宮境内にある川柳の句碑に足が止まった。川柳には独特の力がある。 力士とは言い得て妙。力の限りを尽くして、11月15日、大相撲秋場所2日目にあっけなく稀勢の里に敗れ、双葉山の持つ69連勝の記録に届かない63連勝で終わった白鵬。「相撲の流れの中にすきがあった。今までの63の白星があって、一つ伸ばしてやるか、と思ったところにすきがあった」と、白鵬にしか吐けない言葉を、聞く方も噛みしめた。政治家を名乗ってさえ、言葉にもすきだらけの軽い時代に、この青年横綱に肩入れしたくなる。 そして28日の千秋楽、14勝1敗で豊ノ島との優勝決定戦に臨んだ。勝負は10秒にも満たないうちに終わった。昨年に続き86勝4敗、勝率九割五分。20番取って負けは一つ。「疲れましたが、美味しいものをたくさん食べて休みたい」と見せた若者らしい笑顔に、また拍手をした。日本人力士の5年振りの優勝が実現しなかったことは残念である。 作詞家の星野哲郎さんが85歳で亡くなった。テレビでも追悼番組が放送されていたが、改めて歌詞に込められた言葉の力に感服した。星野さんと出会った日のことを、都はるみさんから聞いたことがある。京都から出てきてコロンビアと契約し、市川昭介さんについた。市川さんは星野さんに作詞を頼んだが、クラウンへ移籍したばかりで「それは出来ない」という。市川さんは半ば強引に「聴くだけ聴いて」と星野邸へ都を連れて行った。 そこで歌い始めたら、星野さんが「ちょっと待って」と立ち上がり、雨戸を閉めたという。夜声八町と言うが、それほどこの新人歌手の声にも力があったというエピソード。それから市川さんが帰宅したら、星野さんから「歌詞が出来た」と深夜3時の電話。それが『アンコ椿は恋の花』だった。あとで星野さんと市川さんの口からも聞いた秘話である。 |
(写真:鷲神社二の酉<10年11月19日>[お役目終えた古熊手」)11月の第3木曜日は、もうすっかり日本に定着した、新酒ワインBeaujolais nouveauの解禁日。最初に巷間使われた言葉が定着したのか、ボジョレ・ヌヴォを妙に延ばした“日本語”が引っ掛かる。もっともアール・ヌーヴォーとか、昔の流行語「ヌーボーとした」とか、片仮名語は延ばす方が日本人には馴染むのか。 日本で商売になり始めた当時は、成田空港で世界一早い解禁などと、不躾に宣伝相務めたものだ。たまたま解禁の日にパリにいて、街角に山積みされた新酒に、フランス人のこだわりを感じたが、値段は500円に満たなかった記憶がある。好景気の日本では3500円もしていた。ことしはペットボトルで500円の売り出しが話題になった。円高の恩恵もあろうし、安いのは有り難いが、季節感もチマチマしてきたものだ。 明けて19日はニの酉とあって、浅草へ出かけた。神社のおとりさま・鷲神社の守り本尊は鷲妙見大菩薩。開運招福の神様である。並んでお寺のおとりさま・長國寺。ことしは一の酉もニの酉も大安吉日のせいか、二の酉で終わりのせいか、はたまた不況の年こそ開運招福への思いが募るのか、とにかく四方に広がる参道沿道は参詣人でぎっしり、歩くもままならず。 かっこめ熊手から赤物、青物、鬼熊手に檜扇と、あれこれ大小、趣向を凝らした熊手の店に、沿道を埋めた屋台のにぎやかさ。人の頭になれると“頭の芋”や切山椒、べったら漬けに人だかり。大昔にはお隣り合わせの吉原客もそぞろ歩いて初冬の風物だったとか。樋口一葉の『たけくらべ』の舞台にもなった竜泉寺町から三ノ輪まで屋台を冷やかし歩き、上野公園にたどり着いたら、落ち葉が降りしき、大銀杏が夕陽を浴びていた。 年内、お酉さまは12月3日に川越の熊野神社、10日は大宮氷川神社など、まだ関東一円あちこちで催されるとか。 (YOU) 写真はことしのお酉さま風景=筆者撮影= この欄をお読みになってのご意見、ご感想を掲示板 http://6402.teacup.com/genkigaderu/bbs にお寄せください。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 |
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