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![]() (第百七回) |
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夕月や家路となれば家恋し 松尾静子 夕月とは三日月を言う。勤務時間が終って空を見ると鎌のような月がかかっている。すっかり日の短くなっている事に気付かされる、どこか人恋しい季節でもある。家路に着いたのだと思うと俄かに家族の顔が浮かんでくる。仕事をしていた先ほどまでは家のことは全く頭から離れていたのである。微妙な秋口の心理が描かれている。 灯火親し葉書あるだけ書いてしまふ 加藤三七子 秋の静かな夜、机に向かっていていつの間にか知人の消息が気になってきた。ひとり二人と思い出すままにハガキに便りを書き始めると机に残っていた数葉のハガキが尽きてしまったと言うのである。灯火親しと言うと読書のことを指すがこの発想は意外でもあり新鮮でもある。 火の山の立ちふさがれる花野かな 岡安迷子 秋草の咲き乱れる高原を花野と言うのだがそこには今尚激しく噴煙を上げている火山が聳えているというのである。九州なら阿蘇山や桜島の山麓などで見られる光景である。花野に山が聳えているだけでも充分美しいし吹く風の涼しさも感じられるのだが、脈打って噴き上げられる煙には迫力がある。 葛の葉に風かけ登りかけくだる 鎌田露山 何にでも取り付いてはびこる葛だが、風によって翻る葉は暑い夏を通り越した目には涼し気である。吹き登る風にやや白い葉裏を見せていた葛の葉が吹きおろしてくると元のままの緑濃い葉になるのが美しいと感じたのであろう。地味な風の動きをとらえていながら、初秋の爽やかな感じを見事に表現している。 虫聞くや音符にとつてみたくなる 猪子生牙 美しい虫の声を聞いていると音符に書き取ってみたくなったと言うのである。願望や推量を句にすると独りよがりになりやすく、想いをただ述べただけのものになることが多い。だがこの句は誰をもそんな気分にさせてくれる虫を対象にしているので納得させられる。 |
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| 八千代川柳(16) 田中まこと |
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*村上川柳会 宿題「卵」 福田岩男 選 風邪引きに昔は効いた卵酒 紀の治 卵に命をかけて終える鮭 たみこ 先生の見習いヒナとよく遊び よ ね 不意な客卵でツマミ作る知恵 謙 三 ブーム去り忘れられてるタマゴッチ まこと 一日の反省まとめ卵とじ はるか 作り方ネットで探す卵酒 しっぽ アルバムに金の卵の父が居る 謙 三 * 楽楽川柳会 自由吟 遠藤砂都市選 頼み事悲劇役者の振りをする 早苗 泥んこのお化けがはしゃぐ水たまり まさ子 温泉で周りの人の線を見る 成夫 期待され大風呂敷が結べない キミ子 生き甲斐はこの子ですよと犬撫でる 敏昭 めげそうな気持しっかりチャックする 文乃 アチコチに建った葬場袖を引く 昭二 キャベツむくように記憶を捨てる母 はな *悠遊川柳会 自由吟 遠藤砂都市選 ポストから噛みつき亀が首すくめ 剛 毅 時々はため息をつく妻が居る 秀 夫 交際を仕分ける契機御中元 ひろこ ジジババの会話の主語は代名詞 剛 毅 いい汗をかこう優しくなれるから ち ゑ 脳だって夏休みする猛暑の日 は る 忠告が胸にストンと着地する 光 江 目の老化生きる楽しみかっさらう 萩 子 *鶏鳴川柳会 動く 江口 信子選 逆転のチャンスベンチが動き出す 貴美雄 被災地に心が動くボランティア 博 之 女房の機嫌で変わる酒の量 岩 男 立ち読みの足時どきは位置を変え 満 舟 軽くなら打たれる釘になる覚悟 吉 弘 体調のくずれをおして母の朝 砂都市 胃袋がスピードあげる試食会 正 一 張りつめた空気が動く誉め言葉 記代子 *あすなろ川柳会 課題「抱く」 堀江 加代選 抱き上げて孫の成長確かめる ちほこ 何時にない妻のやさしさ不安抱く 良 江 子や孫を抱いた膝今犬のもの きみ子 外交はハグがベストと見せつける 三 郎 逢わぬ間に人見知りする孫を抱く 差知子 初孫を抱いて血筋を自慢する 忍 気がつけば枕を抱いて目が覚める 治 抱きしめるだけで活力子に与え 柊 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 |
| <金曜連載「爽やかエッセイ」と感想文募集> |
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エッセイは800字前後が理想ですが、長文のものは何回かに分割させて頂くことがあります。 中高年の「元気が出るページ」にふさわしいものであればテーマは自由です。 感想文は200字程度(読んだエッセイのタイトル明記) エッセイ、感想文ともお名前、ご住所(掲載時は県・市までにとどめます。)メールアドレス(掲載しません)ホームページのある方はPRしますのでアドレスを明記の上 Genkigaderu@ra2.so-net.ne.jp(最初のGは小文字のgに変えてください。)までメールでお送り下さい。期限はありません。 |
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