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| 尋問が終ると、私の隊の名、宮崎部隊と書いてある鉄の扉で鍵のかかる石油倉庫へ二人別々に放り込まれた。 倉庫の壁は厚く、宮川との応答はできなかった。中には簡易ベットに藁布団が一つあった。体が弱っていたので、ぐったりしてこの倉庫に2日2晩寝たが、南京虫の襲撃にあって痒くてたまらなかった。 3日目の朝が明けた。 扉が急に開いた。 番兵がのぞいて、外に出ろ!とどなった。 いわれるままに外に出ると、自動小銃を持った兵5人とマンドリン銃を持った下士官一人が待ちかまえていた。 宮川は先に出されていた。 ここで殺されるんだ、と覚悟した。だが、手を縛りもしないで、歩けという。 兵隊たちは、ふんどし一丁で丸裸のわたしを囲んだまま、早く歩けと銃の先で指図した。 ああ、ここでやると辺りが血で汚れて厄介だから、海でダダダダダッとやるんだな、いよいよ最後のときがきたと、覚悟を決めた。 海岸で、とまれ!と号令がかかったら、ドカンと撃たれて、この世からおさらばだ。 いつ、号令が出るかと思いながら歩く。 いよいよ海岸へ出た。 ここか?と振り向くと、どんどん歩け、という。 桟橋まで来てしまった。 50トンぐらいの、焼玉のポンポン船が一艘ゆらゆら浮いていた。 乗れという。宮川と顔を見合わせた。どういうことだ? 殺さないのか? 乗船すると梯子のかかった船倉へ降りろという。二人が降りると、梯子をはずされた。 宮川と、どういうことだこれはと、あれ以来はじめて言葉を交わしたが、彼もわからんと頭を振るばかりだ。 船が走り始めた。寝転んだまま、上のハッチから入る日のひかりの動きから、西へ向かっているように思えた。ガダルカナルへ連れていくつもりではないかと、ひそひそ話し合った。捕虜は二人だけで、他には誰もいなかった。 ガダルカナル島 突然、兵隊が海へ向かって大声を張り上げている。なにごとかと思って起き上がった。 島に着いたらしい。岸の方からも応答する声が聞こえてきた。 梯子がかかり「上がれ」という。やはり見覚えのあるガダルカナル島だった。 二人は船から下ろされると、トラックに乗せられどこかへ運ばれるらしい。 車は椰子林の中をどんどん走った。 米軍のガダルカナル捕虜収容所は椰子林の中にあった。 収容所といっても、全く簡単なお粗末なものだった。10畳ぐらいの広さで、40センチぐらいの高さに板が張ってあり、周りを鉄条網で囲み屋根はテントだけで、その外側をまた鉄条網で張り巡らしたものだった。外から丸見え。中のわれわれ捕虜が何をしているのか、すべて分かるようにしてあった。 ![]() ここでやっとふんどし一丁の私は、ズボンを貰った。 つづく 第20回は4月20日(火)の予定 読み終わったらこのウィンドウは閉じてください。 |